〜東京都の支援プロジェクト「Tokyo NEXT 5G Booster Project」に採択〜
株式会社ソニックス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:吉澤武則、以下「ソニックス」)は、東京都が実施する「次世代通信技術活用型スタートアップ支援事業(Tokyo NEXT 5G Booster Project)」において、開発プロモーターであるフォースタートアップス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:志水雄一郎、以下、フォースタートアップス)の支援先スタートアップ企業として採択されました。これに伴い、次世代通信技術を活用した新たなモビリティ体験の実現に向けた実証実験を開始いたします。
本実証実験では、日本交通株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:若林泰治、以下日本交通)が展開するEDS(エキスパート・ドライバー・サービス)のひとつである「観光タクシー」において、車内で外国人観光客が移動中に楽しめる動画配信サービスの導入を目指します。5Gの高速・低遅延通信を活用することで、リアルタイムかつスムーズな動画配信を実現し、タクシーが目的の観光地に近づくと、関連する映像コンテンツが自動的に車内設置のタブレット端末に配信されます。これにより、臨場感のある観光体験を利用者に提供するとともに、乗務員のインバウンド対応の負担を軽減し、東京観光の付加価値向上を目指してまいります。

事業の背景と意義
近年の外国人観光客の増加傾向とともに、タクシーを利用する外国人観光客も増加しており、インバウンド対応の必要性は高まっています。また、インターネットでの情報収集が容易となったことで、現地ならではの体験や学びを求める外国人観光客が増加しています。一方で、乗務員の英語研修や翻訳機の使用では、英語スキルの差によるサービス品質のばらつき、翻訳機の仕様におけるコミュニケーション量の限界や運転中の対応の難しさなど、一定の課題が見られています。
そこで、デジタル技術を活用し、多言語での情報提供を強化するとともにサービス品質の安定化を図り、映像コンテンツによる豊かな観光体験を提供するソリューションとしてタブレット端末を用いた車内動画配信サービスの実証実験を実施します。本サービスでは、5G通信を活用した位置情報連動の動画コンテンツ配信により臨場感のある観光体験を創出し、訪日客の満足度向上と乗務員の業務負担軽減を両立させることを目指します。
実証実験の概要
本実証実験では、観光タクシーの車内に設置したタブレットにおいて、位置情報と連動した動画コンテンツを楽しめるアプリケーションを提供いたします。タクシーが特定の観光地やランドマークに接近すると、自動的に関連する映像が多言語で配信される仕組みを導入し、利用者にリアルタイムで視覚的な情報を提供します。また、アプリ上に表示されたマップにはルートや現在地、これから向かう観光地の情報などが表示され、移動中のワクワク感を創出いたします。
本実証実験は、東京都の実施する「Tokyo NEXT 5G Booster Project」の枠組みの中で、実際の観光タクシーでの試験運用を行い実用化に向けた課題を洗い出していきながら段階的に実施していく予定です。(「Tokyo NEXT 5G Booster Project」の詳細についてはこちら)
本サービスの主な特徴は以下のとおりです。
- 高画質な動画配信:5Gを活用し、高画質な動画をスムーズに配信。
- 観光ルート表示機能:観光マップ上に訪問予定の観光地や周遊順を表示し、移動中のワクワク感を演出。
- 位置情報と連動した動画配信機能:タブレットのGPSと連動し、観光スポットに応じた映像を適切なタイミングで自動配信。
- 多言語対応:外国人観光客向けに、多言語でのコンテンツ提供。
※機能については今後の実証を通じて効果を検証し、利用者や乗務員のフィードバックを基に改善・最適化を進めていきます。

今後の展望
本実証実験を通じて、技術的な検証やユーザビリティの評価を行いながら、実際の利用シーンでの課題を明確化し、サービスのブラッシュアップを進めてまいります。また、実証を通じて得られたデータを活用し、複数台での運行や、顧客に合わせたパーソナライズ機能の導入など新たな観光体験の創出を検討します。
将来的には、観光タクシーに限らず、一般タクシーなどへの展開の可能性も視野に入れ、幅広いユースケースでの活用を模索します。次世代通信技術を活用した移動体験を豊かなものにするデジタルサービスとしての発展を目指し、日本交通とソニックスとで連携しながら継続的な改善・実証を進めてまいります。